2017年8月24日木曜日

ソラコムのEXITとIOT通信への大手の参入

 今月の始めにKDDIがIOT通信事業のソラコムの買収を発表しました。今月末には買収完了し、子会社化するとのことです。買収価格は非公表ですが、当初200億円とされ、KDDIはそれから離れた額ではないというコメントを出しています。
 ソラコムは、玉川憲氏が2015年春に創業した会社です。玉川氏は、大阪生まれ=>東大大学院(機械情報工学)=>カーネギーメロンMBA&MSE=> IBM => AWS(アマゾンWebサービス)=>ソラコム起業という経歴です。技術系の経営者と言えます。ちょっと真似できる経歴ではありません。私が言うところの「ぴかぴかのベンチャー」だった訳です。
 ソラコムがサービスを開始したのは2015年9月で、その後米国、欧州でもサービス開始し、現在は120を超える国でサービス提供しています。顧客数は7000とされています。決算は公表されていないと思いますが、多分相当赤字だったのだと思います。将来を見込んで投資したVCさんも先見性があったと言えます。(まー「ぴかぴかベンチャー」ですので、目利きはそれほど不要だったのかもしれませんが、、資本金は37億円(資本準備金含む)になっています)
 NTT、KDDI、ソフトバンクの大手通信3社が来年度からIOT通信に参入することから、KDDIによる買収は、自社サービスのほかにソラコムも自社陣営に取り込んだということだと思われます。
 これまでの携帯電話通信とIOT通信との違いは、下記の日経新聞の表がわかりやすいと思います。(2017/8/23)

 この記事では「IoT向け通信は京セラコミュニケーションシステムが仏ベンチャーのシグフォックスと組み、2月から一部地域で始めた。価格は最安で年100円。大手3社の料金は未定だが、見劣りしない水準になるとみられる。」とされており、価格は相当安くなります。
 ちなみに、現状ソラコムの料金は、基本料金10円/日で、通信量は別ですがそれはかなり安く、料金例では、一台あたり、304円/月となっています。他社からもサービス提供されていますが、今の所ソラコムが最も安いのではないかと思います。
 来年度というのは、来年4月からだと思いますが、「IOT通信元年」になるわけです。ソラコムを起業した玉川氏は2年前に起業したときに、これが見えていたのだと思います。推定200億円のEXITが、2年できたわけです。時価総額1000億以上のベンチャー一角獣の「ユニコーン」と呼びますが、そこまでいかないまでも、大したベンチャーだったということです。
 通信会社のビジネスとしては、1台、年100円でどれだけ稼げるかが課題になります。相当安くするからには、相当契約台数を増やす必要があります。チリも積もれば、の典型例。
 これをお手本に、日本でも買収によるEXITがこれからも増えるとよいと思います。

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