2017年7月26日水曜日

欧州におけるオープンイノベーション事例セミナー

第6回JOICセミナーに参加しました。シーメンス、エレクトロラックス、Eindhovenハイテクキャンパスによるスピーチでした。同時並行で、同じプリンスタワーB2で、デロイトトーマツベンチャーサミット2017が開催されていましたが、午前中は、こちらに入りました。

シーメンスは、日本の日立や東芝のような総合電気会社です。スピーカーの方は、日本駐在で大学との連携を担当している方のようでした。社外向けのクラウドソーシング、社内向けのクラウドファンディング(どちらもあまり聞いたことがない)、next47というunit(部門?)を作り、そこに今後5年で1300億円(Euro1B)を投資するということです。試みとしては、すごいですが、具体的な成功事例の話はなかったので、それはこれから、ということだと思います。

エレクトロラックスは、オープンイノベーション部門のプロジェクトマネジャーがお話されました。方針とかプロセスの話に終始し、成功事例のお話はありませんでした。具体的にどんなstartupと組んで、何を作ったかを話してもらうと説得力があったと思います。

Eindhoven(エイントホーフェン)ハイテクキャンパスは、もともとオランダ本社のフィリップスが作った施設のようですが、外部にも解放したそうです。非常に立派な施設で、多数の大企業、中小企業、ベンチャー企業、研究機関が入っているとのことです。日本企業では自転車・釣り具のシマノが入っています。キャンパスというのは、一見大学のような施設だからでしょうが、マイクロソフトなども本社のことをキャンパス(一度行ったことがあります。確かRedmond)と呼んでおり、大きな敷地に建物がいくつかある拠点がキャンパスと呼ばれることがあります。昔行ったクライアントの南アフリカ子会社は、The Campusと呼んでおり、敷地内にミニゴルフ場がありました。

それはそうと、こういう施設は非常にお金はかかりますが、運営次第ではイノベーションを起こせる可能性を秘めています。お話としては、この話が一番おもしろかったです。一度見学してみたいと思います。

おそらく、こういう施設の課題は、広い範囲の研究しても力が出せないので、いくつか研究課題(技術シード)を絞って、研究機関と企業が協力することが必要と思います。またそういうシード技術を見つけて、大企業やベンチャー企業と繋げるという活動をしっかりする必要もあります。そうしないと、単なる賃貸不動産になってしまいます。ここは、産総研とMOUを締結して、協力関係にあるとのことでした。

スピーチの冒頭に、オランダは小国で、ドイツ、フランスなどの大国に囲まれており、賢く(smart)に立ち回らなければならない国です、ということは、よくオランダ人は口にします。このハイテクキャンパスは、そういう観点で、各国から入居者を集めて、研究開発してもらおうという趣旨で設立されたのだと思います。

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