2017年11月12日日曜日

小さなお店のネットワーク

「がっちりマンデー」(日曜日7:30-8:00)ではいろいろなベンチャー企業が紹介されていて勉強になります。
今日のタイトルは、

あなたの知らない「お店」ネットワーク!
街の小さなお店が加入!出前が激増する謎の組織…?


次の3社が紹介されていました。
・出前館(飲食店の出前)
・トラボックス(運送手配)
・ESTDOC(クリニックの検索と予約)

出前館
 町の飲食店に出前が発注できるサービス。地域を入れると飲食店一覧が出て、注文すると、飲食店にはFAXが届くという仕組み。
 なぜFAXなのかというと、飲食店にはパソコンを置くスペースがない、パソコンの前に座ってメールを受けるような時間がとれない、という事情があるからです。(私のワインビジネスも飲食店向けなので、そのような事情を念頭におき、スマホから注文できるようにしています。ワインを出す飲食店で出前をするところは少ないように思いますが、受注確認はメールではなくFAXがいいかもしれません。ちょっと検討してみます。)
 飲食店側からは、忙しくなると出前が遅くなるので、出前までの時間(何分かかるか)をFAXから入力でき、それがウェブサイトに表示されます。
出前を発注したのにいつまでも届かないということあありうるので、反応がない飲食店には出前館の会社が電話でどうなっているかチェックする。売り上げの5%を出前館がもらう。
 あと、出前をしていない飲食店には、出前の配送サービスを受託し、出前配送は新聞配達店に依頼する、というところまでやっています。
 営業をして、システムを使ってもらう飲食店を増やした後の手間がかかるビジネスのように思います。

トラボックス
 運送発注のサイトは、調べるとハコベル、運送net、レントラ便などが出てきます。この会社は2001年の日経インターネットアワードを受賞しているようです。会社設立が2000年のようですので、それからまる17年間。似たようなサービスが増えてくると伸び悩みます。社長や役員が金融機関出身なので堅実経営なのかもしれません。会社のウェブサイトを見ると、新年会は派手に帝国ホテルでやるようです(参加料1万円)。

ESTDOC
 病院検索サイトはいっぱいあります。私も一度相談をうけて、このビジネスについて考えたことがあります。検索ができても「予約」ができないと使われないですし、マネタイズもできません。クリニック側に予約システムを提供してそれを使ってもらうのがポイントと思っていましたが、この会社は実際にそれをやっているそうです。
 予約制のクリニックは、このシステムを使うと自動的に予約が入ってくるので便利。初診の人が入ったときに1人3000円をこの会社が徴収するのだそうです。それ以外は無料。
 初診以外は、無料で予約システムが使える、というのが「売り」ということになります。当然、クリニックが電話やメールで予約をうけたら、このシステムに入れれば、その時間帯は予約不可の状態にできるのだと思います(未確認)。
 大きい病院は、予約制でないところが多いですし、予約制であるときは自分のところの予約システムを持っているはずですので、これを使うメリットはあまりないと思います。たとえば、9割の患者が自病院の予約システムで予約を受けているのであれば、あと1割の空き状態をESTDOCの予約システムに入力しておく必要があるからです。非常に面倒(システムの連携もできるかもしれませんが、個別にコストがかかります)。 
 これについては、多数の病院の健康診断の予約をインターネットで受けつけている健保組合にヒヤリングに行ったことがあります。病院には予約システムがありますし、健保組合はいくつもあり、特定の健保組合の予約システムを病院が使ってくれるはずがありません。N対Nの関係になります。
 これはどのように解決しているかというと、「旅行代理店の予約と同じ」でした。あらかじめ病院が空き日程を健保組合に割り当てるというやり方です。もらった空き日程を健保組合が組合員に公開して予約をうけ、予約を受けたら、病院に知らせる、というやり方になります。期限が迫ってきたら、健保組合が予約を受けていない日程は、病院に空き日程を返すことになります。予約が多い健保組合は、空き日程を追加して病院から貰えばよいのですが、そんなフレキシブルなことは多分やっていないと思います。
 よって、ESTDOCの予約システムしか使っていない小規模なクリニックであれば、このシステム外の予約は少しだけなので、その情報をESTDOCの予約システムに入力するだけ済みます。
 これも、トラボックスと同じで、成功すると真似されやすいビジネスなので、スケールするのは難しいのかもしれません。ただ、出前館と異なり、サイトに掲載されてからの手間は少ないビジネスと思います。
 病院検索サイトは、このように小さなクリニック対象のものもありますが、「名医」を検索したり、特定の病気の手術件数を検索したりするようなサイトもあり、工夫の余地はありますが、大きなビジネスにするのは難しいのかもしれません。なお、医者向けのサイトには「エムスリー」があり、東証一部上場です。

0 件のコメント:

コメントを投稿